そもそも藻場ってなに？藻場（もば）とは、海藻や海草が群生している海のエリアのことです。代表的なものにコンブやワカメの藻場、アマモ場などがあります。藻場は海のゆりかごとも呼ばれ、魚や貝、エビなどの生き物の産卵場所や成長の場になります。また、二酸化炭素（CO₂）を吸収し、地球温暖化の抑制にも貢献します。さらに、波のエネルギーを和らげることで、津波や高潮の被害軽減にも役立ちます。しかし、ウニの食害などにより磯焼けが進み、藻場が減少しているため、各地で再生活動が進められています。

三陸における藻場の種類三陸沿岸には、さまざまな種類の藻場が広がっています。代表的なものは、コンブ藻場、ワカメ藻場、アマモ場の3つです。 コンブ藻場は、三陸の冷涼な海で育ち、大型の魚やウニ、貝類の生息地となります。また、養殖業とも深く関わり、水産資源の重要な供給源です。 ワカメ藻場も三陸で広く分布し、特に岩礁地帯で繁茂します。ワカメは成長が早く、漁業資源として利用されるだけでなく、二酸化炭素を吸収する役割も果たします。 アマモ場は、砂地に生える海草の群落で、小型の魚や甲殻類の産卵や隠れ家となります。アマモ場は「海のゆりかご」とも呼ばれ、沿岸生態系の維持に重要です。 これらの藻場は、海の生物多様性を支え、漁業や環境保全の観点からも大切に守られています。

磯焼けとは磯焼けとは、海藻が減少し、岩場がむき出しになる現象です。三陸沿岸では、近年磯焼けが深刻化しています。主な原因の一つはウニの大量発生です。捕獲圧の減少や海水温の変化によりウニが増え、海藻を食べ尽くしてしまうため、藻場が消失しています。また、海水温の上昇や海洋環境の変化により、海藻の成長が妨げられることも影響しています。さらに、栄養塩の不足も問題で、気候変動に伴い親潮が三陸沿岸まで届かなくなっており、海藻が育ちにくくなっています。磯焼けが進むと、様々な生き物の生息地が失われ、漁業資源も減少します。